2001/09/22

『テルミン』を観に行きました。ある電子楽器をめぐる人々の物語です。ドキュメンタリー映画の距離を置いた作りが実在の(奇矯な)科学者の数奇な人生を浮き立たせていて、なんだかしみじみしてしまいました。手をふれずに演奏するテルミンという楽器の不思議さ、開発者テルミン博士とテルミン奏者クララの魅力に尽きます。

余談。日本SF大会で暫く初心者の演奏を見ていたのですが、普通の人は、映画の中で何人かが演奏していたように手を大きく動かして音程を調節します。ところが、このクララさん、指の形を微妙に変えるだけで殆どのメロディを演奏できるのです。まるで、見えない弦を操っているかのようにも見えます。彼女とテルミンとの長い年月の証なのでしょう。