2002/11/20

会社の有休を取って、「ここ掘れ、274体の廃仏! カンボジアの国宝大発見」という、こっぱずかしい名前の緊急国際シンポジウムに行って来ました。念のためお断りしておきますが、内容はいたって真面目かつ、講演者もちゃんとした先生方です(1人若人の例外有り)。平日だけあって、会場の皆様は頭が白か灰色か肌色(^_^;)。

そして講演は開始。ところが講演者の先生方はレベルを落として話していました。発見の経緯、出土状況、廃仏の政治的・宗教的背景あたりは、既に研究会や報告会で出た話題を分かり易くまとめ、学際的に補完した程度です。今日の客層では致し方のないところでしょうが‥‥ついうとうとと眠ってしまいました。なまじ海外から来てくれた先生の方が容赦なく専門の話になっていましたが、それでも大体予稿集に沿った話でした。

例外は私が報告をみていなかった、3次元デジタルデータ化の取り組みでした。コンピュータ技術者である講演者はなんとまだ10代! こういう会場での発表にまだ慣れていないようで、手際の悪さが目立ちましたが健闘した方でしょう。油断すると感想文になってしまうのが奥様方の微笑みを誘っていたようです。仏像の頭をぐりぐり3Dで動かせるのはちょっと魅力的。色彩データの欠如が、逆に碑文や浮彫の判別を楽にしているという指摘もなかなか興味深いものがありました。

このシンポ、来月の朝日新聞に特集を組むそうです。期待しないで待っているのが吉でしょう。

ピンが投薬を嫌がるので、食い物で釣ることに。リンゴのスライスに水薬をまぶしてやっています。獣医さんには「甘やかさないで、慣らしてください」と言われているものの、薬のスポイトを見た瞬間にピンは飛んで逃げてしまうので、この方法しかないのです。とほほ。

読書:桃木至朗・樋口英夫・重枝豊『チャンパ』(歴史部分を再読)