セキセイインコのキーちゃんがまたも卵詰まりの予兆です。かなりしんどそうなので、明日朝一番に獣医に連れて行かないと‥‥会社は半休しかないでしょう。
平野啓一郎『日蝕』を立ち読みしました。私的に不可な作品でした。まずスタイルとしての文章が中途半端であるということが第一点。漢字とルビを視覚的に多用した擬古文調なのに現代仮名遣いなので、非常に読みにくいのです。いっそ全部旧仮名遣いにしてくれた方がどれだけ韻律を含んだ美しい文章になったかしれません。
そして題材です。努力は認めましょう。中世神学、異端、魔女や錬金術やらは、私はこういうのが大好きです。しかし、この作品は素材の重みの割に安直な結論に落ち着いてしまっていました。物語としてはスマートですが、この物語における思索はごくありふれたもの。一時期話題になったようなパクリ小説ではないと思いますが、同じ中世物小説としては大学生にボルヘスやエーコ並のレベルはまだ無理だったということでしょう。
物語として完成されてしまったので、それ以上の奥行きが見込めない作品ですね。まぁ、次回作『一月物語』でどうこの作家が化けたかは文庫化したときに確認しましょうか。
読書:パングボーン『オブザーバーの鏡』(2日目。私的にいまいち。)