2006/02/26

小児科への志願者数が、研修後に激減しているとニュースで盛んに報じられています。小児科やっている妹の愚痴を聞いている身としては、意外性のない結果だな、と思っています。小児科医の敵は、病気よりもむしろ激務と親ですから。 小児救急に深夜に数十分も電話で問い合わせをしてタダで診療を受けようなんて親を説得するのも、小児科医の仕事なのです。心の中で『このバカ親! 自分の怠惰で子どもを殺す気か!』と罵っていようとも「やはり直接診療しないと判りませんから、早くお子さんを連れてきてくださいね」と優しく応対しなければならないのです。そして、隣の待ち合わせ室には高熱にうなされる子どもが5人とか並んでいるのです。おまけに通常シフトで連続勤務30時間が月に数回あります。 要するに、毎日が病気と親と疲労との戦いなわけで、こういう状況は新人にとって相当の苦行のはず。これで挫折感を感じるのも仕方のない話だろうな、と。「子どもが好きだから」でやっていけるものじゃないのですよ。

じゃあ、妹は何故小児科を選んだのかというと、本人は「子どもが回復に向かうときの、めきめき治る爽快感がたまらないから」といってます。どうしてもダメなときはダメだけれどね、半死半生の子が治って元気よく退院するときは、ホントに嬉しいんだよ、と。