2004/10/21

リチャード・コールダーという作家がおりまして、フェティッシュなナノテク&サイバーパンクなSFを書いておりました。私は彼の未来世界が割と好きで、トレヴィルという出版社から出ていた中編集の『アルーア(蠱惑)』と、『デッドガールズ』を所蔵しています。

特に、『アルーア』所収の「トクシーヌ」、「モスキート」、「リリム」の3編と『デッドガールズ』、『デッドボーイズ』は同じ未来を舞台にしたSFです。特に「トクシーヌ」は、ある人形に魅入られた少年がダメ人間まっしぐらという救いようのない話でして、“人形もの”の傑作(笑)。生きた人形というのがメインテーマなので、映画『イノセンス』の便乗商法として復刊してくれないかなー、と希望していたのですが、その気配も全くないままに終わってしまいました。

ただ、私は『デッドボーイズ』だけはお目にかかったことはありません。部数がもともと少なかった上に、出版元のトレヴィルがもうなくなってしまっているというのがネックになっているようです。そこで私は先日より、古書サイトを廻って検索しておりました。しかし、とうとう見つけた麗しの古書はなんと6000円! 元値の倍以上という、そこいらへんの株よりも利回りの良い逸品となっておりました。‥‥‥‥‥‥どうする? 買うか? 自分?

読書:弘末雅士『東南アジアの港市世界』(7日目)