2002/10/23

最近の日本人拉致問題について、思うこと。これからという年齢で北朝鮮に拉致されて、とても苦労してようやく北朝鮮で生活の基盤を築いたのに、またそれら全てを捨てて日本に永住帰国せよという。大きな犠牲を払って北朝鮮で得たものを全て捨てて、また一からやり直せという。

子供達だって、友人も学業もいきなり断ち切られ、言葉も通じない日本に行かなければならず、こちらも白紙から生活も思想も、日本人の色眼鏡の中で人格さえ再構築しなければならない。そのプロセスは洗脳の様相となるでしょう(ほぼ全ての日本人は“日本人”という規格に洗脳されているのです。資本主義、民主主義、民族のアイデンティティとかね。ただ、北朝鮮とはベクトルが違うだけのこと。気が付かないし、気付いても解除しないだけ)。

だからといって北朝鮮に戻ったらどうなるか予測がつかない。生きているが故に彼らは外交の駒として翻弄されるほかない。

北朝鮮も、日本も、拉致被害者を引き裂こうとしているかのようです。どうにも解決しなければならないのに、全ての人間が幸せになれる策は無い。あまりにも無惨な状況。これは現在進行形の悲劇です。

読書:宮部みゆき『クロスファイア』(読了)、Murray Dian H. “Pirates of the South China Coast, 1790-1810” (ようやく読書再開。鄭夫人、早くでてこないかな~)